iPhoneのバッテリー劣化対策。長持ちする充電法とは

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iPhoneのバッテリー劣化対策。長持ちする充電法とは

iPhone 16 Pro Maxのバッテリー診断記録 ― デスクワーク中心の生活で気づいた“見えない劣化”

毎日の仕事の合間に、なんとなくiPhoneを手に取る。自営業ということもあり、日中はほとんどデスクワークだ。メールの確認や調べもの、スケジュールの調整をしていると、気づけば1日中机の上にiPhoneがある。

バッテリー残量が減っていればケーブルを挿して充電する。夜は就寝前にもう一度充電してから寝る。いわば「常に満タンを保つ生活」。これが私の日常だった。

そんなある日、何気なく設定の「バッテリーの状態」を開いてみた。そこに表示されていた数字――最大容量89%。思わず、「あれ、けっこう下がってる?」と感じた。この時、少し胸の中にざらついたものが残った。「下取り価格も下がるのかな?」という現実的な不安とともに。

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13か月で89% ― 普通なのか、劣化が早いのか?

私のiPhone 16 Pro Maxは、2024年10月に購入してちょうど1年が経過したところだ。バッテリーの最大容量は89%で、充放電回数は444回だった。

毎日机で仕事をしているため、バッテリーが減ったらすぐケーブルを挿す。気がつけば、1日に何度も“追い充電”している。夜は寝る前に充電して、朝100%でスタートする。

つまり、1日1〜2サイクルに相当する充電ペースだった。そのため、444回という数字は「意外と多いが、理屈に合う」結果だった。

Appleの設計基準と照らしてみる

Appleは公式にこう述べている(Apple公式サポートページ)。

iPhoneのバッテリーは、通常の条件下で500回の充放電サイクル後も、最大容量が80%を下回らないよう設計されています。

つまり、1日1回のペースなら1年半ほどで500回となる。私の場合、444回で89%なら十分健全な状態だ。異常でも劣化早めでもなく、「日中ずっと充電できる環境なら、自然にそうなる」だけのことだった。

iPhoneがケーブルから外され、画面にはバッテリーがゆっくりと減っている

リチウムイオン電池の“見えない疲労”

リチウムイオン電池は、充放電を繰り返すことで内部の化学反応が進み、電極表面に「SEI膜」と呼ばれる層が厚くなる。これは保護膜だが、厚くなりすぎると電流の流れを妨げ、結果として充電できる量(容量)が減っていく。

この反応は温度と電圧に強く依存する。特に「高温で100%状態が長く続く」と、劣化が急速に進む。つまり、机の上で常時充電し続けるという私の使い方は、まさに劣化を助長する条件がそろっていたわけだ。

数値で見るとどうなるのか

444回の充電で89%。単純計算すると、1サイクルあたり約0.0248%の容量低下となる。このままのペースなら、あと約11か月(=360回)で80%に到達する計算になる。つまり、2026年秋には交換目安ということだ。

Appleの基準「500回で80%」と比べると、非常に理想的な劣化ペースといえる。

「じゃあ、どうすれば延命できるのか?」

この疑問を解く鍵は、“満充電の時間を減らすこと”だった。

調べてみると、バッテリーの寿命を左右するのは「何%で充電を止めるか」だという。80〜85%の範囲で止めると化学的ストレスが大幅に減り、劣化速度が約40〜45%遅くなると報告されている。(出典:Battery University:How to Prolong Lithium-based Batteries

実際にやってみた“85%運用”

80%上限だと使える時間が少なくなって不便だった。そこで、85%上限を目安にしてみた。

デスクワーク中は都度充電できるので、「20〜85%の範囲で維持」するのは難しくなかった。すると、バッテリー温度が下がり、発熱が少なくなったことに気づいた。

1か月ほど経ってから容量を確認しても、減り方が明らかにゆるやかになった。体感としても、電池の“粘り”が戻ったように感じる。

「最適化されたバッテリー充電」との違い

iPhoneの「最適化されたバッテリー充電」は、AIが生活リズムを学習して夜間は80〜85%で一時停止し、起床前に100%まで充電する機能だ。

つまり、自分で85%上限を設定しなくても、似たような効果が得られる。

ただし、夜勤や不規則な生活をしている人だとAIがうまく学習しないこともあるようだ。私のように毎晩決まった時間に寝て、朝デスクに戻る生活では、この機能は非常に安定して動作している。

現実的な結論

結果として、私がたどり着いた結論はこうだ。

日常は「最適化されたバッテリー充電」をONにしておく。
暑い時期や長期保存時は85%上限に切り替える。

これが、手間もなく、最も現実的にバッテリーを守る方法だった。

自営業の机の上で、気づいたこと

一日中デスクで仕事をしていると、つい「減ってきたら挿す」「寝る前に満充電しておく」――これを繰り返してしまう。それが悪いことだとは思っていなかった。

でも実際には、その“満タン状態の維持”がゆっくりとバッテリーを疲弊させていた。

数字で見ると、確かに劣化は進んでいた。しかし、その数字をきっかけに、充電の仕方をほんの少し意識するようになった。

それだけで、iPhoneの扱い方が変わった。そして、毎晩100%を見て安心していた頃よりも、今の方がずっと気持ちが軽い。

夜の部屋の中、20歳の女性がベッドの端に腰かけ、スマートフォンを静かに見つめている。画面にはバッテリー残量のアイコンが少し欠けており、青白い光が彼女の顔を照らす。

参考資料

Q&A

iPhoneの充電は80%で止めたほうがいいですか?

寿命を延ばしたいなら80%で止めるのが理想です。100%に近づくと電圧が高くなり、化学的な劣化が進みます。ただし、使える時間が短くなるので85%上限でも十分効果があります。

充電 100にしないほうがいい?

はい。毎回100%まで充電して長時間そのままにするのは避けた方がいいです。内部の電圧が高い状態が続くとバッテリーに負担がかかります。「最適化されたバッテリー充電」をONにすれば、夜間は80〜85%で止まり、朝に100%になります。

バッテリーの最適化は80%までしか充電しないの?

いいえ。常に80%で止まるわけではありません。AIがあなたの使用時間を学習して、夜は80〜85%で止め、使う直前に100%に仕上げます。満充電で放置しないように調整してくれる機能です。

バッテリーを劣化させない充電方法は?

充電範囲を20〜85%に保つのが基本です。高温の環境では充電しないようにしましょう。そして「最適化されたバッテリー充電」をONにして自動管理に任せるのが一番現実的です。

机の上で静かに減っていくバッテリー。
でも、その使い方を少し見直すだけで、寿命は確実に延びる。
数字を見て不安になった夜が、結果的に一番大きな気づきになった。

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